奈良

2011年11月 4日 (金)

薬師寺大宝蔵特別公開 秋展

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薬師寺大宝蔵特別公開展が催されていました。

春と秋に催されるようで、今回は13日まで。

上の写真は、国宝である吉祥天画像、日本で現存する吉祥天画像の最古のもの。

長らく薬師寺境内の鎮守八幡宮の社殿内に安置され、正月に行われる吉祥悔過の本尊であったようです。

吉祥悔過…罪を懺悔し、災いを祓い五穀豊穣と国の安泰を祈るというもの。

ふっくらした顔立ちで唐の美人画の影響が見られる天女のような姿に、いにしえから人々が行ってきた祈りの行事を思い浮かべたくなりました。

そしてこの小さな木造りの聖観音像、柔和な表情をたたえ愛らしい姿に歓声をあげたくなるほどでした。

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家の最寄りの地下鉄駅から近鉄乗り入れの電車を選べば乗り換えなしに揺られているうちおよそ1時間後には大和路に降り立っている。

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なんと非日常の世界があっという間に開けることか。

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そんなわけでちょっと地下鉄で遠出、大きな旅気分。

心をふっくらさせ、京都へ帰ります。

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薬師寺 奈良市西ノ京町457 0742-33-6001

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2011年11月 3日 (木)

玄 ふたたび

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友人のリクエストで「玄」へふたたび訪れました。

この前私は訪れたばかりなのに、、、と友人は遠慮がちだったけれどでも熱烈なリクエスト。

私はこの研ぎ澄まされた蕎麦、繊細な蕎麦はすごくオススメ、自分もいくどでもいただきたいから大歓迎!と喜び勇み予約しました。

とろんとろんのねっとりした蕎麦がきはスプーンで掬い山葵、少し甘辛い醤油たれとともにいただきます。

もっちり濃厚で、蕎麦の香りふんだんに、今までいただいたことのない蕎麦がきは今でも思い出すとまた食したくなるクセになってしまうあじわい。

蕎麦豆腐は雲丹のせと湯葉のせ。

きりっと冷えつるりとした絹のようななめらかさ、弾力ある食感、雲丹、湯葉、山葵、大徳寺納豆の塩み。

いくらでもするりするりと入ってしまう。
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音楽家でもあるご主人が毎日配合を変え、打ち方も変えられる蕎麦。

バッハの旋律を奏でるように蕎麦をお打ちになられるのかな、なんてちょっと想像してしまいます。

繊細で洗練されたあじわいのせいろ。

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蕎麦のうまみを豊かにあじわえる田舎蕎麦。

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この蕎麦湯毎日いただきたいなー、のとろりとした蕎麦湯。

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予約の取りづらいお店、次はもうなかなかチャンスはないから、なんて言いながら時空けずにまた口福のひと時を過ごしました。

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玄 奈良市福智院町23-2 0742-27-6868

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2011年11月 2日 (水)

薬師寺 ふたたび

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大和路、西の京の薬師寺へ。

天武天皇が皇后(のちの持統天皇)の病気平癒を祈願し建てられたお寺。

同じ駅に降り立ちながら先に訪れた唐招提寺が、金堂の力強さ、仏像の荘厳さを感じながらも境内が緑豊かで心和み親しみ深く歩くのとはまた雰囲気ががらりと異なる薬師寺。

広い平らな境内に金堂や講堂が整然と建ち並び、朱の異国情緒感じる建物、エキゾチックさもあじわいながら歩きました。

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白鳳時代の聖観音像が静かに微笑みをたたえる姿に出会える東院堂。

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雲ひとつない晴れ渡った空をバックに。

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風が吹き抜け心地よい金堂には薬師三尊蔵が祀られています。

優美な姿に手を掌わせました。

薬師三尊蔵の台座にはインドのおはなし、ペルシャの蓮華文様、中国の四神、遠くはギリシアの葡萄唐草文様が浮かび上がり、絹の道シルクロードを伝わり奈良の都にもたらされた文化を感じることができます。

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平城創建当時の姿を伝える唯一の建物、東塔はこれから発掘解体工事、まだ眺めることができました。

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白鳳期は、飛鳥の都から奈良に遷る過渡期。

そんな頃の新しい時代への期待やみなぎる力が溢れているような薬師寺。

野分の風情につつまれていました。

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薬師寺 奈良市西ノ京町457 0742-33-6001

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2011年11月 1日 (火)

ふたたび唐招提寺

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京都へやって来た友人にどこへ行きたい?と尋ねると奈良、大和路のリクエスト。

唐招提寺、薬師寺をゆっくり歩きたいということで先週唐招提寺をふたたび訪れました。

皐月の風に吹かれながらうちわまき会の光景をいつか眺めてみたいね、などとおしゃべりしながら、

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金堂の盧舎那仏坐像、千手観音立像、薬師如来立像の前で天平の風が吹いてくるような悠久さをあじわったり。

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息子と訪れた時よりほんのり染まった秋に出会いました。

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照葉。

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初冬さえ感じるようなかわいらしい花にも出会いました。

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土塀があらわれると大和路だ、と思ってしまう、石蕗と。

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朝9時頃の朝のすがすがしい光に洗われ、ねこじゃらしも透き通るように映りました。

萩、秋桜、土塀の道を辿り薬師寺へ向かいました。

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唐招提寺 奈良市五条町13-46 0742-33-7900

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2011年10月26日 (水)

東大寺ミュージアム

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東大寺南大門をくぐってすぐのところに新しいぴかぴかの建物ができていました。

10月10日にオープンしたばかりの東大寺ミュージアム。

「特別展 奈良時代の東大寺」展が催されています。

印象に残ったのはなんといっても、法華堂(三月堂)の不空羂索観音立像と脇侍の日光・月光両菩薩立の3体のそろい踏み。

法華堂にあるたたずまいとはまた異なり、美しい彫刻を眺めるようでした。

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ミュージアムショップやカフェも併設されていました。

ショップで見かけた奈良かるた(遊 中川さん製)、絵もチャーミングならばひとつひとつ読みたくなって、また奈良のあそこもここも訪れたくなってしまう。

「ゑ 遠来の異教の武神 阿修羅像」 「そ 蒼天に舞うは五色の蓮の花」というふうに。

美術館前の銀杏の黄金色、きれいでした。

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東大寺ミュージアム 

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ナラニウマイモノ…

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「ナラニウマイモノアリデス」

というミシュランガイド本の奈良での発表をテレビで見ていた私と息子。

文豪、志賀直哉が随筆に奈良のことを「食い物のうまいもののない所だ」と書いたことを引用しての口火でした。

その時テレビで映っていたイタリアンのお店「リストランテ・イ・ルンガ」が奈良公園、東大寺の南大門へ続く参道のすぐ隣ほどにあるのを見つけました。

少し進むとたまたまそのお店の営むカフェの前に立っていたので入ってみることに。

たのしいからずっと歩いていたけれど、気づけばちょっと疲れてひと休みしたいナ、そんな時でした。

パニーニ、カレー、パスタなどの軽食やケーキ、ジェラートなどがメニューに書かれています。

息子はミルクチョコレートのジェラート、私は栗。

大きめのほっくり栗が大胆に入り、なめらかな喉ごしのジェラート、季節をふんだんに感じました。

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テラス席からは遠くに目をやれば南大門や大仏殿、若草山も眺められます(真下は駐車場)。

奈良にうまいもんありやろ?なぁ?と同意を求める息子。

まだ指折れる少ない奈良でのごはんやスイーツの記憶を辿る親子です。

それと同時に、志賀直哉ってどんな人?「暗夜行路」も「城の崎にて」のストーリーの説明もできなかった情けない母です(とほほ)。

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カフェ イ・ルンガ 奈良市春日野町16 夢風ひろば内 0742-23-5200

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2011年10月25日 (火)

大仏さま

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奈良へ行ったら息子のリクエストは、東大寺の大仏殿。

大仏さまの鎮座している台座は14枚の蓮の花びらから成っており、1枚もこの大きさ!

蓮華蔵を表した世界、下部には古代インドの人が考え出した宇宙の中心を成す巨大な山、須弥山(しゅみせん)が描かれています。

大仏の大きさもさながら、壮大な宇宙が奏でられ造られたんだな、とそのスケールの大きさをあらためて感じます。

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息子のしたいのは大仏さまの鼻と同じ大きさの穴をくぐること。

無事にくぐることができれば無病息災が祈ることができる、いいことがある、といわれています。

するりとくぐりにっこり記念撮影がお約束、もう少し大きくなったら難しいかナ、、、

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大仏殿のなかに掛けられていた絵馬の仁王像はなかなか迫力あります。

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天平の風がふわりと吹いてきそう、大仏殿の前の八角燈籠に浮き上がる菩薩像にいつも見とれてしまいます。

東大寺境内のなかに新しく現れたミュージアムへ向かいました。

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東大寺

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2011年10月24日 (月)

唐招提寺で見つけた秋

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ほんのり黄金色に染まる葉に彩られた鐘楼。

瓦屋根のてっぺんの鴟尾が秋空に輝く金堂がすぐ向こうに透けて見える、気持ちのよい日でした。

秋の日射しは色づき始めた葉や木をやわらかに見せてくれるようです。

小さな赤い実を揺らす梅もどきは南大門をくぐってすぐに。

いつか目にしてみたいのは、中秋の名月の日に行われる観月讃仏会。

満月に照らされた境内、金堂の3つ扉向こうの黄金色に輝く三尊の姿を拝することができるのです。

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もう少し前萩の花の季節はさぞや見事な枝垂れだったろう、というくらい境内のどこを歩いても萩に出会いました。

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風にたなびく芒。

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鑑真和上御廟は、静寂につつまれたところ。

朝の光が美しかった。

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南大門のすぐ真ん前は道路、近鉄電車がすぐそばを走る音がのんびり聞こえます。

一歩境内に足を踏み入れると荘厳さに息をのんだり、山郷を歩くような風情に出会います。

最寄り駅の西の京からは土塀を辿ったり、秋篠川の流れを渡ったり、秋桜の揺れる田園をのぞみ、歩いているだけでたのしい。

心洗われる空間、またいくども訪れたくなります。

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唐招提寺 奈良市五条町13-46 0742-33-7900

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2011年10月23日 (日)

スマートガイドで唐招提寺

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奈良のマンホールかわいらしい絵やな~、と目を落としたり、秋篠川でおたまじゃくしを見つけ道々歩く息子との奈良道。

(マンホールは他にも網代柄などの幾何学模様も数種類あるようでもしかしたら場所ごとに柄がいろいろあるのかな、と思ってしまう凝りようです)

西の京の唐招提寺でスマホを借りました。

「世界遺産・唐招提寺との新たな出会いを「スマートガイド」が演出します」というもの。

たまたま朝のニュースで、「若い世代の人にも興味を持ってもらう糸口になってほしい」とお寺の方が仰っていたのが印象的で、私も息子も興味津々です。

渡された地図に添ってポイントをまわり、カメラで標識を認識、すると画像と音声で見どころや歴史をガイドしてくれる、というもの。

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このガイドがとてもよかった!

今目にする仏像や観音像がもともと極彩色でからだはまばゆいほどの金箔で覆われていたことがCGの映像で見られたり、

薬師如来像のからだの中からは当時のお金が出てきたことが説明されたり、

うちわまき会式の様子が映し出されたり、

折々の四季の唐招提寺が見られたり、と。

地図に添って次は?とずんずんいつの間にかぐるりと歩いていました。

また奈良の寺社仏閣や美術館などにはボランティアガイドの方がいらっしゃり、そっと様子を伺いながら手を差し伸べてくれます、押しつけがましくなく。

今回も千手観音の手を懐中電灯で照らしながら説明してくださったり、天平の甍のはなしを子どもの興味を引くようにそっと近づいていらして話してくださいました。

こんな人の温かさも奈良をどんどん好きになってゆく魅力のひとつです。

唐招提寺 奈良市五条町13-46 0742-33-7900

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染まり始め

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暑かったり急に冷えたり、今年は秋の足音になかなか気づきにくいと感じます。

けれど大地はちゃんと季節を刻んでいる、奈良で出会った秋いろいろは、、、

「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」

と正岡子規が詠んだ奈良の柿。

奈良は柿の名産地、のどかな田園風景が広がる西の京でに鈴なりの柿が秋空に映えていました。

猿沢の池のたなびく柳の向こうに見える興福寺の五重塔。

近くを通ってみると、黄金色の銀杏の木が彩っていました。

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新聞の紅葉便りで「奈良公園 色づき始め」の文字を見てもうそんな時季?と思ったけれど、黄金色に染まり始めていました。

正倉院展も来週から始まります。

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鹿も冬毛に変わっていて、いくども鳴き声がこだまするのを耳にしました。

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東大寺の南大門をくぐった向こうは黄金色。

秋澄む大和の地での1日でした。

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