きもの・きものまわりのこと

2010年11月 4日 (木)

紅葉狩り

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江戸の頃の小袖。

綸子地に刺繍でほどこされた柄行きは、紅葉狩り。

幔幕が吊るされ、その中ではきっと高貴な人が管弦や舞などの遊びに興じたのでしょう。
そんな季節を謳いあげた意匠。

もしかしたら源氏物語や伊勢物語、古今和歌集などから題材を得ているのかもしれません。

昔の人の大らかな遊び心を感じられる衣装です。

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2010年9月 7日 (火)

江戸のオートクチュール

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以前に美豊の2階で衣桁に掛けた江戸時代後期の小袖。

小袖は、袖口が小さいきもの、の意で江戸時代は上層階級の女性たちのあいだで纏われました。
白生地をどんな色に染めるかから始まり模様を決め、染め、刺繍など注文主の意向を聞きながらつくっていったオートクチュールだった小袖。
着る人の容姿や趣味趣向に合わせてつくられた世界にひとつだけのきものは手間のかかった贅沢なものでした。

茶道具や和歌を散らした模様は風流さや高い教養を感じさせてくれたでしょうし、たった一瞬の季節しか纏うことができない模様は贅を尽くした富とおしゃれを満足させるものだったのでしょう。

この小袖は、流れるような秋草が浮かび裾に波模様や唐松があしらわれており王朝の香り漂う模様。
とても繊細な柄ゆきの模様はすべて白で描かれ、色は刺繍であらわされており、模様がくっきり浮き立つ華やかな小袖です。

纏っていた人は、菊の季節しか纏えないものを着られるかなり高貴な人、おしゃれ心に満ちていたのではないでしょうか。

時代を越えた美しいものは、美豊のものづくりの原点のひとつとなっていっています。

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2010年3月19日 (金)

カウントダウン

まど~からながれるけしき  かわ~わらない このまちたびだつ
はるか~ぜ  まいちるさくら  あこがればかりつよくなってく ♪

近頃、家人のひとりがよく口ずさんでいる「GReeN」の「遥か」という曲(映画「ROOKIES -卒業」の主題歌)。
6年生のお兄さんお姉さんが卒業式で歌った歌のよう。
エールに溢れたストレートな応援歌、車で一緒に歌っているだけでウルウル。
むせび泣きながら運転している変なおばさんになってます。

10年前に出逢った日から一緒に過ごせる月日はきっと思ったより短い、と18で親元を離れた私はついカウントダウンしてしまいます。

今日、家人のひとりは卒業式ではまだないけれどひとくぎりの式。
何を着てゆこうかな~。

橘が描かれ、ところどころ刺繍された空色の附下げのきものに華紋が織り出された袋帯。
清々しい雰囲気にしようかナ。

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卒業式までの式ではないから、春らしく華やかにする?と家族に思い出してもらったのはこの組み合わせ。
手描きのよろけ縞の小紋のきものに御所解文様の染め帯。
(カメラを買ってもらったばかりで嬉しくて仕方なかった頃の写真です)

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なーんて考えていたら、昨日夕方から家人ひとりは熱がぐんぐん上がってきて、今39度。
今日はどんな日になるんだろう。。。

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2010年2月 8日 (月)

物語をつくって

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冷たい空気のなかにもやさしい日射しを感じると、春の兆し。
桃の節句、雛まつりの季節に思いを馳せてみました。

きものを纏うたのしみに、物語をつくって纏うたのしさがあります。

桃の節句から連想するのは…お雛さま、お内裏さま、桃の花、ぼんぼり、貝合わせ、五人囃子、笛太鼓、扇、菱餅の色(ピンク、菜の花色、若草色)などなど。

帯地のお腹の部分に桃の花、お太鼓部分は貝合わせの柄、木彫りのお雛さまとお内裏さまの帯留めをのせてみました。

コーディネイトを考えるわくわく感があって、眺める人にストーリーを想像していただける、共感していただける。
きものならではの愉しみだと思います。

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2010年1月31日 (日)

心溶かされるもの

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江戸時代の頃の能面(狂言面?)の彫りもの。
観世流水文様が市松取りで描かれている染め帯と合わせて。
帯留めにいいかな?!
たおやかな表情に何だかほわんとした気分になりながら眺めていました。

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2010年1月27日 (水)

カンデンデン

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もうすぐ節分会。
炮烙焼きの追い込みの風景を映像で目にし、今年は壬生寺の壬生狂言を観てみたいなぁ、と思ってます。

鎌倉時代から「壬生さんのカンデンデン」で親しまれるせりふなしの民衆劇である壬生狂言。
盛大な炮烙割りの音も聞いてみたいし、観客に紙の糸が投げられる「土蜘蛛」も観てみたい。

そんな季節をたのしみにしながら、江戸の頃のものの狂言面(能面??)を帯留めに、梅を描いた染め帯にのせてみました(梅はお腹の部分、お太鼓の柄は雪持ち松)。

壬生狂言は2月2,3日13:00より1時間おきに8回行われるそう。

壬生寺 京都市中京区坊城通仏光寺上る  075-841-3381

美豊は、今日水曜日お休みをいただいております 

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2010年1月18日 (月)

刺繍で

刺繍で表情が豊かになるきもの。

お客様と相談しながら、美豊オリジナルの手描き草花の附下げのきものの柄の輪郭に。
輪郭がより引き立ち、平面の柄が浮き上がり立体感が生まれます。

2、3本の縦に置いた金糸を色糸で横に留めてゆく金駒刺繍。
ひと針ひと針職人さんがする仕事はとても気が遠くなるもの。

背のひとつ紋は、刺繍で家紋のまわりを花紋で囲み、おしゃれ感も感じられるように。
きものの柄にある色で松竹梅がふわりと舞うように柄を描きました。

世界にひとつ。
きものをつくっていただける、つくらせていただけるたのしみ、です。

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2010年1月16日 (土)

世界にひとつだけの

きものを誂える歓びは、自分だけの、世界にひとつだけのものをオーダーメイドしていただけること。

これはお客様からご要望をいただき、染め上がった淡い明るいねず色がかった空色の色無地のきものの反物。

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春先にお召しになられたいということ。

生地は八丁撚糸を使った浜縮緬。
生地そのものからむっくり起き上がるような光沢があり、しなやかな縮緬地、皺になりにくい八丁撚糸は立ったり座ったりの動作を多くされるのでおすすめしました。

色は本社で今まで染めた膨大な色見本の中から絞ってご覧いただいたりして、さわやかな色に目を留められた帯締めの色に染めることに。
引き染めで幾度も刷毛で染め上げ、深みのある色にこだわります。

シンプルなものだからこそ、質のよさ、色の美しさ、袖を通すたびにときめきをいつまでも感じていただけるものに仕上げたい。

お客様と一緒につくってゆくような心弾むたのしい時間でもあります。

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2010年1月 8日 (金)

刺繍の帯揚げ

昨年末に家人が携えてきた袋を開けると美しい刺繍の帯揚げ。

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縮緬地に笹蔓文様、梅の柄。
伸びやかな金糸が豪華、はんなりした印象。
笹蔓文様は300年にいちど実をつけると言われる竹の実を象っていておめでたい柄。

家人は初釜にぴったりと思ったみたい。
1月のお出かけがたのしみ♪

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