美術館・博物館

2012年5月28日 (月)

承天閣美術館で七類堂天谿展

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緑の美しい庭を抜けて相国寺の中にある承天閣美術館へ。

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七類堂天谿展が開催中でした。

七類堂天谿さんは、雪舟が水墨画を学んだ中国で雪舟の再来と認められた日本人画家。

雪舟が若い頃に修行時代を過ごした相国寺で国内初の個展。

すごいキャプションを前にちょっと構えながら中へ入ってみると、やさしい繊細な線で描かれた柔和な仏画や凛としたつややかなな草花画に心和みました。

心弾んだのは、書と画の美しさやコラボレーション。

有馬賴底氏の筆に七類堂氏の画であったり、陶芸もされており茶碗と書、画の調和のたのしさをあじわいました。

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竹林のさわ鳴る音につつまれながら十牛の庭の前の椅子に腰掛けていると、心がふっくらしとても豊かな気持ちになります。

ゆったりした美術館でのひと時です。

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七類堂天谿展 6月10日まで
相国寺承天閣美術館 京都市上京区今出川通烏丸東入る 075-241-0423

美豊ホームページhttp://biho.life.coocan.jp/

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2012年5月 2日 (水)

村上華岳 展

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祇園にある「何必館・京都現代美術館」で「村上華岳 展」が始まりました。

この美術館設立のきっかけになったのは、館長の梶川氏が華岳の「太子樹下禅那」(↑ポスターの作品)と邂逅ともいう出会いをされたからだそうです。

柔和な表情で官能的な香りさえも漂ってくる穏やかで甘美な仏画。

シンプルな線のみで描かれているのだけれど眺めれば眺めるほさまざまな表情が覗き、魅了されます。

美術館最上階のエレベーターの扉が開くと青もみじが満天の空になっている新緑のこの下のポスターの景色が目の前に広がり、思わず歓声が漏れます。

とても素敵。

「太子樹下禅那」はお茶室のお軸に掛けられていました。

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美術館は魯山人のコレクションが常設されていて、美術館の風景に溶け込んでいることも見逃せません。

今回は、ロビーに魯山人の大きな壺に翠さえざえとした満天星(どうだんつつじかな?)のがたっぷりいけられていて、その奥に華岳筆の額が掛けられいました。

花街の賑わいから一歩足を踏み入れると別世界、そんな美術展でした。

村上華岳展 6月10日まで
何必館 京都市東山区祇園町北側 075-525-1311

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2012年4月28日 (土)

春、御影にて~片岡球子 展~

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随分前のこと、みぞれ混じりの雨が時折降る春休みの日、神戸の御影にある香雪美術館を友人と訪れました。

「片岡球子 生命(いのち)あふれる」展を是非とも観たい、香雪美術館という美術館を訪れてみたい、それで神戸へちょっと小旅行気分で。

意外だったのは、球子さんの北海道時代の作品は繊細で優しい雰囲気。

代表作である富士などは力強さみなぎり、鮮やかな色彩は画面を飛び出し弾けんばかりの迫力で満開に咲きに咲いている大輪の花のよう。

作品がメッセージや生命力そのものみたいで、間近で見ると画からすごいパワーが発せられていて、実際に観るってすごいなーと感じ入りました。

美術館、素敵でした!

朝日新聞社の創始者である村山龍平氏の蒐集した美術品が収蔵された美術館は土塀が張り巡らされた坂道、その向こうに見える立派な洋館、庭園、さらにその奥にそびえる大きな和風のお屋敷、美術館は隣接していて、茶室がある庭を歩いて進むエントランス。

美しい梅が静かにほころぶとても風情のある美術館、また訪れたいな~。

などとその時に友人と買ったポストカードをテーブルに広げ思い出しているゴールデンウィークに入った初日に。

この前、蕾み、開き始めの芍薬、こんなに大きな花になりました。

花芯まで花びらと同じ色、あでやかです。

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片岡球子展 5月6日まで
香雪美術館 神戸市東灘区御影郡家2丁目12−1   078-841-0652

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2012年4月26日 (木)

初夏のはじまりの日に

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そよぐ風が初夏の香りをのせてやってきた、そんな気持ちのよい日にぴったり。

京都文化博物館で催されている「芹沢銈介展ー人間国宝のわざ 暮らしをあざやかに染めてゆく」展。

伝統的な型染を基に芸術性の高い作品を創始した作家のコレクション。

屏風、反物、きもの、帯、のれん、ガラス絵、絵本、素描…

鮮やかな色彩のハーモニーが波打ち、美術館の空間に身を置くだけで心躍ります。

軽やかで洒脱なデザインにもワクワク。

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芹沢銈介展 6月3日まで
京都文化博物館 京都市中京区三条高倉 075-222-0088

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2012年2月23日 (木)

永遠の永遠の永遠 展へ・その1

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国立国際美術館で催されている「草間彌生 永遠の永遠の永遠」展を観てきました。

草間ワールドへの入り口からもうわくわく。

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いっせいの水玉、水玉にウキウキします。

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展示の中にはオブジェが飾られた空間を体験でき、年齢問わずそこに身を置く人の顔が笑顔ではじけます。

童心にかえるような不思議な感覚。

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いのちある限り描いて描いて描きまくる、という80歳を過ぎてエネルギーほとばしる制作意欲、活動。

何ものにもとらわれない自由で想像力が泉のように溢れるみずみずしさ、草間さんの生命そのもののような作品にたっぷり触れ元気をいただきました。

草間彌生 永遠の永遠の永遠 4月8日まで
国立国際美術館 大阪市北区中之島4-4-55 06-6447-4680

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2012年2月22日 (水)

永遠の永遠の永遠・その2

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ずっと念願だった大阪の国立国際美術館で催されている草間彌生「永遠の永遠の永遠」展へ行ってきました。

観終えたあとのミュージアムショップで選んだカードやマグカップ。

キュート、ユーモラス、カラフル、かわいい、バラエティー豊か。

観終えた後の高揚冷めやらぬまま、たのしく手に取りました。

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草間彌生 永遠の永遠の永遠 4月8日まで
国立国際美術館 大阪市北区中之島4-4-55 06-6447-4680

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2012年2月17日 (金)

朝鮮木のもの100選 展

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おだやかな微笑みを浮かべる石像が両側にたたずむ門をくぐれば、異空間への入り口にいざなわれるようです。

勇ましいからだつきに柔和な表情の石人は王の綾墓や貴族の墓を守る朝鮮時代の石人。

「朝鮮 木のもの100選」が催されている高麗美術館を訪れました。

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朝鮮半島の7割が山林という土地柄で人々がいかに深く木と関わり暮らしてきたのか、美術館のコレクション100選から朝鮮木工品の魅力に迫ることのできる今回の展示。

たとえば写真の木雁(モッキロギ)は、夫婦の契りを象徴するもので、新郎が結婚式の日に新婦のもとへ向かう時にたずさえられ、縦列していることが大切。

そこには儒教の教えがみられ、風俗や家族関係を見るようです。

木の持ち味を生かし温もりある食卓まわり、削ぎ落とされた美しいデザインの家具や調度品など用の美を感じさせてくれるもの。

精緻でまばゆい螺鈿が散りばめられた職人技にため息がでる碁盤台や婚礼の道具。

展示品は暮らしまわりから儀式、仏像など多岐に渡り、木と密接に関わってきた人々の美意識に目を見張りました。

高麗美術館のはじまりは、この白磁壺からと美術館の方に伺いました。

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麻の白いポジャギがかけられた窓からやわらかな光が入る2階建てのこぢんまりした美術館は、おだやかな空気につつまれていて居心地がよいです。

苔むした小さな庭も。

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石塀の外に出ると、また日常へかえってゆく気分になりました。

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朝鮮木のもの100選 3月25日
高麗美術館 京都市北区紫竹上岸町15 075-491-1192

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2012年2月14日 (火)

黎明の頃を訪ねる

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「今のコレクションは仏画や筆跡などですがよろしいでしょうか?」

入り口のチケット売り場の女性のことばに、一瞬入場を躊躇した岡崎の細見美術館で催されている「麗しき日本の美ー祈りのかたちー」。

静謐な空間に浮かび上がる千年以上の時を越えて今この目の前にあるものを目にした時、不思議な感覚につつまれました。

鈍色の光を放つ精緻で優美な密教法具。

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慈悲深いまなざしを見せる菩薩像の仏画。

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祈りのために捧げられた花器や酒器、仏画は名もなき人、職人たちの手によるもの。

作者の顔が作品を通して覗くことはなく、あるとすれば祈る姿があるだけ。

きれいに見せようとか、よく見せようという作為もない。

極めて簡素で優美に、静かにたたずむ姿に心惹かれました。

文化の夜明け、黎明の頃を訪ねるようなひと時でした。

麗しき日本の美ー祈りのかたちー 4月1日まで 前期、後期で作品入れ替えあり
前期:3月4日まで 後期:3月6日から4月1日まで

細見美術館 京都市左京区岡崎最勝寺町6-3 075-752-5555

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2012年2月13日 (月)

愛らしい蒔絵の世界

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岡崎にある「象彦本店」の「象彦漆美術館」で催されている「象彦西村家の雛人形と雛道具展」を観て来ました。

寛文元年に疎水にかかる冷泉橋のたもとで象牙屋を開き、漆器と唐物を扱ったのが象彦さんのはじまりだそう。

今回の催しでは、象彦当主の西村家に代々受け継がれてきた雛人形、雛道具が一堂に展示されています。

嫁いだ女性達の雛人形を毎年飾り慈しむ西村家のしつらえ。

手から手へ時を経て大切にされてきたものは、柔和で愛らしい表情で春めいた気分にしてくれます。

小さな小さな可愛い雛道具に散りばめられた豪華で美しい蒔絵の素晴らしさにうっとり、眼福のひと時です。

家具や楽器、カットの美しいギヤマンの器、陶器など生活用具のミニチュアが飾られた空間は、指の先ほどの大きさなのに本もの。

楽しくてずっと見入りました。
(画像はお借りました↓)

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美術館のあるお店の2階には、茶道具や椀物など現代の象彦さんの美しい蒔絵、美術工芸品が愛でることができ、もちろんお買い物もできます。

1階には、手に取りやすい普段の暮らしの中で活躍してくれそうなものが種類豊富に取り揃えられています。

自分用に贈りものに、いいなぁと目を惹かれました。

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象彦西村家の雛人形と雛道具展 4月3日まで
象彦漆美術館 京都市左京区岡崎最勝寺町10 075-752-7790

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2012年2月11日 (土)

お茶目な顔のニューフェイス

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菜の花畑の波に乗っている?!龍。

京焼の六兵衛窯の箸置き、今年の干支のものです。

ぽってりした手触り、やわらかな色合い、愛嬌ある表情。

どんなふうに使おうかな、と考えるのはわくわくするひと時です。

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ティータイムにも使おうかな。

お茶目な表情に思わず笑みがこぼれそう。

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卯年の箸置きを買った岡崎の細見美術館の地階にあるミュージアムショップ「アートキューブ」で見つけました。

六兵衛窯のものがいろいろ揃うショップ、昨年12月に訪れた時はまだなく、今年の干支はどんな顔?と思っていました。

遅らせばながらこの表情に出会った時は、嬉しかったな。

わが家にさっそく仲間入りしたニューフェイスたちです。

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細見美術館 京都市左京区最勝寺町6-3 075-752-5555

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