慈照寺(銀閣寺)近くにある中華料理屋「盛華亭」は、ずいぶん前に訪れました。
住宅街にたたずむお店は、温かそうな灯りがともっている誰かのおうちと間違えてしまいそうな昔懐かしいような和風の建物。
ガラガラっと引き戸を開ければ、銭湯帰りの人もまだ濡れ髪のままくつろいでる(すぐそばに銭湯がある)。
山をハイキングしすごい姿になり果て、お腹はマックスにぺこぺこだった私たち、地元の人に親しまれ肩の力を抜いていただけそうなお店にちょっと安心しながら2階へ通してもらったことを覚えています。
どのお料理もやさしいあじわい、まぁるいあじ、ほっとするあじ、なつかしいあじ、お皿が登場するたびに満喫していただいた夜でした。
卵がたっぷり使われた皮で巻かれた春巻き。
皮からひとつひとつ手作りの30年間変わらぬあじだそう、なんだかなつかしい。
具と皮に胡麻が練り込まれている餃子は香ばしい。
極細切りされたピーマン、筍が繊細な食感をたのしませてくれるピーマンと牛肉の炒め物。
もっちりした皮に舌鼓、水餃子。
かしわむしもの。
酢豚。
このお店の焼飯を中華風かやくごはん、という人もいるとお店の方に伺った通り、油の存在を感じさせないあっさりしっとり焼飯。
印象に残っているのは、卵皮のおいしかった春巻き、胡麻の練り込まれた餃子、細切りきんぴらのように感じたピーマン牛肉の炒め物のやさしいあじわい。
そして誰かのおうちをガラガラっと開けたら、すごくディープな光景が広がっていた、ということをとても強烈に思い出します。
こんな風にずいぶん前の写真を眺めていたら久しぶりにやさしいあじわいを訪ねてみたくなりました。
盛華亭 京都市左京区浄土寺馬場町39-4 075-751-7833
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