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2011年10月31日 (月)

御所となりの隠れごはん

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少し前、高峰秀子著「いっぴきの虫」を読んでいたら、「御所雲月」のごはんや名物わらび餅がとても恋しくなりました。

本はひと筋の道を極めた各界の人たちー有吉佐和子、松下幸之助、東山魁夷、杉村春子、木村伊兵衛、梅原龍三郎…ーとの対話を綴ったエッセイ集。

そのなかで、谷崎潤一郎氏亡き後、夫人の松子さんとの対話は、谷崎潤一郎氏が生前ひいきにしていた鷹ヶ峰の料亭「「雲月」での待ち合わせで始まります。

「雲月」は「御所雲月」の本店、わらび餅が登場するし居ても立ってもいられない気分。

また、谷崎潤一郎氏の美に対する意識やそんな作家に選ばれたミューズでもある松子夫人との夫婦関係に対する谷崎氏の考え方が作品に反映されているんだな、と感じられまた谷崎潤一郎の作品を手に取ってみたくなりました。

まず、松子夫人とその姉妹がモデルである「細雪」から開いてみようかな。

さて、「御所雲月」は京都御所のすぐ東となり、ちょっと隠れ家のような雰囲気、気軽にお昼ごはんがいただけます。

この日いただいたのは、焼肴定食。

6品盛りは、お麩と胡瓜の白和え、ひりゅうず、香の物、温泉卵、磯部焼きタレと生姜がけの胡麻豆腐、小芋と南瓜の炊き合わせ。

ひとつひとつ丁寧で繊細なあじわい。

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水がれいの干ものはほっくりしていて肉厚。

ぎゅっとレモンを搾ると風味が増しておいしかった。

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このお店の名物、小松こんぶといただくごはん。

剃刀で削いだような極細のこんぶ、ごはんがとまりません。

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お菓子はいただきたかったわらび餅。

ぷるんとした食感、黒糖の香りときなこ、これが食べたかった~

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カウンターでひとりでいただいている人も見かけます。

気軽に暖簾をくぐれ、この充実でびっくりするほどリーズナブルなお昼ごはん。

谷崎潤一郎氏のエピソードも物語のあるごはんに彩ってくれます。

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御所雲月 京都市上京区寺町通今出川下る 075-223-5087

美豊ホームページ http://homepage3.nifty.com/bi_ho

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