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2011年9月 9日 (金)

永遠の一瞬

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「この世は舞台、人はみな役者である(男も女も役者にすぎない)」ということばをシィクスピアは「お気に召すまま」のなかで言わせています。

そのことばが、それぞれの舞台の上できらりと輝く一瞬がきらきら詰まっている、と読み取りたくなるようなあたたかな気持ちにさせてくれたのが「一瞬の劇場 エリオット・アーウィット展」。

巨人の足もとに迷い込んだミニュチュアのような犬。

ユーモラスな大きなポスターが迎えてくれるのは、八坂神社すぐ近く、祇園にある何必館・京都現代美術館です。

エリオット・アーウィットは、世界的人気を誇るアメリカ在住の写真家。

エリオットは25歳の若さでロバート・キャパの推薦で写真家集団マグナムの一員となり、ホワイトハウスへのパスをぶら下げフォトジャーナリストとして社会的な出来事を、またある時は著名人を時の風のように捉えています。

(マグナムとは、第2次世界大戦の2年後にロバート・キャパやアンリ・カルティエ=ブレッソンなどにより設立された写真家集団)

ケネディ大統領の葬儀でのジャッキー、握手を交わすニクソンとフルシチョフ、ほおづえをつきリラックスのマリリン・モンロー、地下鉄の通気構からの風にスカートを舞上げられるマリリン、斜め彼方を見上げるチェ・ゲバラ…

歴史の一瞬を大胆に、その時の空気までがぴりりと伝わってきて自分がその場に居るように感じます。

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今回の展覧会でぐっと焦点を当てられていたのが、エリオットの捉えたに何気ない日常の一瞬。

サイドミラーに映る仲睦まじい恋人、静かに海辺を眺める老夫婦、自転車の荷台に腰掛け振り向く少年…

写真家の優しいまなざし、独特なユーモアと哀愁の漂う1枚1枚に、それぞれの人生というストーリーが垣間見え、永遠の一瞬が鮮やかに輝きのなかに閉じこめられている。

1枚1枚の一瞬が愛おしくなる、そんな心あたたまるひと時でした。

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エリオット・アーウィット展 10月23日まで
何必館 京都市東山区祇園町北側 075-525-1311

美豊ホームページ http://homepage3.nifty.com/bi_ho

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